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活動報告 | 学童クラブ事業 | 第4回 包括的性教育研修

学童クラブ事業部では、7月6日(月)に愛和小学童クラブにて第4回包括的性教育研修を実施しました。講師には、これまでに引き続き藤野早織先生※1をお迎えしました。


今回の研修では、学童期から思春期にかけての子どもたちの発達について理解を深めるとともに、職員自身も自らの思春期を振り返りながら、子どもたちの問いや思いにどのように寄り添っていけるかを考える機会となりました。
 

学童期から思春期の成長への理解

 

保育園では大人との関わりが生活の中心ですが、学童期になると、子どもたちは少しずつ世界を広げ、友達との関わりが大きな割合を占めるようになります。そのため、大人との信頼関係を土台としながら、子どもたちが同世代との関係の中でも安心して過ごせるよう支えていくことが大切であると学びました。

 

また、学童期は思春期へと向かう大切な時期でもあります。思春期(およそ10〜18歳頃)は、身体も心も大きく成長する時期ですが、その始まるタイミングや成長のスピードは一人ひとり異なります。友達と比較し、不安を感じやすい時期だからこそ、「成長の時期は人それぞれ。でも誰にでも平等に訪れるもの」というメッセージを伝えていくことの大切さについても学びました。

さらに、思春期の子どもたちは、感情を司る扁桃体の働きが活発になる一方で、理性や判断を司る前頭前野はまだ発達の途中にあります。そのため、感情をうまくコントロールできず、揺れ動くことも少なくありません。子どもたちの言動を「困った行動」として捉えるのではなく、発達という科学的な視点から理解することも、大人に求められる大切な関わりであることを学びました。


「答える」のではなく「応える」

 

今回の研修で特に印象に残ったのが、

「大人は答えるのではなく、応えるでいい」

という考え方です。

 

例えば、子どもから「赤ちゃんはどうやってできるの?」「どうして生まれてくるの?」と質問されると、大人は正しい答えを伝えなければと身構えてしまいがちです。しかし、本当に大切なのは、「どうしてそう思ったの?」「何が知りたかったの?」と、子どもの問いの背景に耳を傾けることでした。

 

講師からは、同じ「赤ちゃんはどうやってできるの?」という質問でも、命がどのように始まるのか(受精)を知りたい子、赤ちゃんがどこから生まれてくるのか(分娩)を知りたい子、自分も将来赤ちゃんを産めるのかと自分の成長が気になっている子、友達とキスをしたら赤ちゃんができると思い、不安になって質問している子など、子どもによって知りたいことはまったく異なるという具体例が紹介されました。

 

その背景を確かめずに、大人の考える「正しい答え」を一方的に伝えてしまうと、本当に知りたかったことに応えられない場合もあります。まずは子どもの思いを受け止め、その子に寄り添いながら一緒に考えていく姿勢が大切であることを学びました。


自分たちの思春期を振り返る


研修では、職員一人ひとりが自分自身の思春期を振り返るグループワークの時間も設けられました。

  • 「親には相談できなかった」
  • 「保健室の先生に聞けばよかった」
  • 「雑誌で調べていた」
  • 「スマホで調べられる時代になった」
  • 「正しい情報がどこにあるかわからなかった」
  • 「同じ境遇の友達には話せた」
  • 「さらっと聞いてくれる人がよかった」
  •  「周りの様子を見ながら、わからないながらも見よう見まねでなんとか生きてきた 」 

など、それぞれが自身の体験や、「こうだったらよかったのに」という思いを率直に共有しました。

 

子どもの頃に抱えていた不安や疑問を振り返ることで、子どもたちにとって安心して相談できる大人の存在や、正しい情報に触れられる環境の大切さを改めて考える機会となりました。

講師からは、子どもたちに正しい情報を届ける方法は、直接伝えることだけではなく、リーフレットや漫画など、興味を持ったときに自分で手に取れる教材を身近な場所に置いておくことも大切であると教えていただきました。知りたいと思ったタイミングで、子どもたちが安心して正しい情報に触れられる環境を整えることも、大人の大切な役割の一つであることを学びました。

 

講師からは、幼少期の子どもは約400万回「ねぇねぇ」と大人へ問いかけると紹介されました。一つひとつの問いに丁寧に向き合い、「この人なら安心して相談できる」という経験を積み重ねることが、子どもたちとの信頼関係を育み、将来、困ったときに相談できる大人の存在につながっていくことを学びました。

 

職員自身が子どもの頃の経験を振り返ることで、「子どもたちにとって安心して話せる大人でありたい」という思いを改めて共有する時間となりました。


一人ひとりを大切にする視点 

研修では、「男らしさ」「女らしさ」について考えるワークを行いました。

 

参加者が思い浮かべる言葉を書き出していくと、多くの項目が「どちらにも当てはまる」ことに気づきます。このワークを通して、自分自身が持つ固定観念(ステレオタイプ)や、無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)について考えました。

 

続いて、ACジャパンのCM「聞こえてきた声 編 ※2を視聴し、「なぜ自分はその声を女性だと思ったのだろう」「男性だと思ったのだろう」と、それぞれが持つジェンダーに関する先入観について振り返る時間となりました。

 

研修では、アンコンシャス・バイアスを持つこと自体が悪いのではなく、その思い込みによって子どもたちの可能性や選択肢を狭めてしまわないことが大切であると学びました。

また、「男だから」「女だから」と主語を大きくして捉えるのではなく、「この子はどう思っているのだろう」「何を大切にしたいのだろう」と、一人ひとりに目を向けることが、包括的性教育の根底にあることを改めて確認しました。


包括的性教育は、身体や性について学ぶだけではなく、子どもたち一人ひとりの権利や個性を尊重し、自分らしく安心して成長できる環境をつくるための学びです。

こばと会では、継続的な研修を通して、職員一人ひとりが子どもたちとの日々の関わりを振り返り、学びを現場での実践へとつなげていけるよう、これからも学びの機会を大切にしてまいります。

 

次回はいよいよ最終回となる第5回研修を、9月4日(金)に予定しています。これまで積み重ねてきた学びを振り返りながら、包括的性教育への理解をさらに深めていきます。


※1 講師紹介:藤野早織さん

看護師・思春期保健相談師として、小児科や保育園での経験を生かし、「ひと声かけて丁寧に」を合言葉に、子どもや保護者、保育・教育関係者へ包括的性教育の普及活動を行っています。


活動の詳細は、こちらをご覧ください。

ほほえみー(藤野早織さん)公式ページ

 


※2研修で使用した動画
ACジャパン「聞こえてきた声 編」 (公式YouTube)