学童クラブ事業部では、第2回包括的性教育研修を実施しました。講師には、前回と同じく藤野早織先生をお迎えしました。
今回の研修では、前回の学びを振り返りながら、「同意」と「境界線(バウンダリー)」をテーマに、対話とワークを通して理解を深めました。
包括的性教育とは、単に生殖や体の知識を伝えるものではなく、自分の心や体を大切にしながら、自分らしく生きること、そして相手も同じように大切にすることを学ぶ人権教育です。
子どもたちの育ちを支える私たち自身が、まず日々の関わりやコミュニケーションを見つめ直すことを大切にしながら、研修が進められました。
研修のはじめには、前回から約1か月のあいだに感じたことや、実際に意識してみたことを振り返りました。
前回は、
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その人のありのままを大切にすること
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自分を大切にすることが、相手を大切にすることにつながること
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相手の話を“適切にどう返すか”ではなく、まず受けとめて聞くこと
などを学びました。
今回も、「どんな気持ちも大丈夫」「しんどくなったら休みながらで大丈夫」という言葉とともに、藤野先生が一人ひとりが安心して参加できる場を作ってくださいました。
ピザワークで体感する ”らしさ” ー 「同意」と「境界線」
今回の研修では、ピザのオーダーシートを使ったワークを行いました。
配られたオーダー用紙に書かれているのは、”ピザ屋 RASHIKU(らしく)"
中を開くと、ピザ生地、ソース、トッピングなどたくさんの選択肢が並んでいます。
まずはそれぞれが「自分の好き」を詰め込んだ1枚のピザを考えます。
その後、「この人と一緒に作りたい」と思う相手を自分で選び、ペアやグループになって“二人(または複数人)の理想のピザ”を作りました。
この「相手を自分で選ぶ」というプロセスも大切なポイント。
誰と関わるかを自分で決めること、そしてその相手と一緒に何かを作ることは、日常の中の「同意」や「関係づくり」と深くつながっています。
ワークでは、
・自分の好きなものをどう伝えるか
・相手の意見をどう受け取るか
・譲れること/譲れないことは何か
を対話の中で確かめながら、ひとつのピザを完成させていきました。
発表では、
「安心できる定番を大切にしたピザ」
「相手がいるから新しい味に挑戦したピザ」
「お互いの“譲れない”を一つずつ残したピザ」
など、グループごとの関係性や対話のプロセスがそのまま形になっていました。
また、
「"食べられなかったらどうする?"という自分の問いに"自分が食べてあげる"と答えてくれたので、安心できた」
「まず最初に一緒にやろうと誘ってもらえたことで自分を受け入れてもらっていると感じた。その好意が新しいことに一緒に挑戦したいと思えた」といった声があり、“安心”が対話やチャレンジを支えることも実感できたのではないでしょうか。
このワークは、「同意とは単にYesかNoを確認することではなく、対話の中で関係をつくっていくプロセスである」ということを体感的に学ぶことを目的としています。
日々の関わりの中でも、相手の気持ちを聞き、自分の思いを伝えながら、お互いに納得できる形を探していくことの大切さを改めて考える機会となりました。
学校教育と包括的性教育の現状にも触れて
今回の研修では、日本の学校における性教育の現状についても説明がありました。
世界では、包括的性教育を国の政策やガイドラインに基づいて進めている国が多い一方、日本の学校現場では、今も限られた内容・限られた時間数の中で性教育が行われているのが実情です。
小学校では思春期の体の変化や人の誕生について学ぶ機会はあるものの、受精や妊娠の過程、同意や人権といった視点については十分に扱われていないことが多く、中学校でも性感染症予防など“リスク回避”に偏りやすい現状があります。
また近年は、「命の安全教育」などを通じて、性暴力を防ぐための学びも進められていますが、そこでもなお「してはいけないこと」を伝える形に偏りやすく、子ども自身の気持ちや権利、自分を大切にする感覚をどう育てるかという視点がより必要であることがわかりました。
講師の藤野先生からは、包括的性教育は新しい何かを現場に“足す”というより、私たちが日頃すでに大切にしている実践に、意味や根拠を与えていく視点でもあるという言葉もありました。
子どもが打ち明けてくれたとき、大人はどう受けとめるか
研修の終盤では、子どもから被害や困りごとを打ち明けられたときの受けとめ方についても共有されました。
子どもが話してくれる背景には、「この人なら話しても大丈夫かもしれない」という信頼があります。だからこそ、大人の最初の関わり方がとても重要になります。
まず大切なのは、
できるだけ落ち着いて話を聴くこと、そして
「話してくれてありがとう」と伝えること。
また、「どんな場合であっても、あなたは悪くない」というメッセージをしっかり届けることも重要です。子どもは自分を責めてしまうことも多く、その思いを軽くする関わりが求められます。
一方で、詳しく聞きすぎないことも大切なポイントとして共有されました。
大人が状況を理解しようとするあまり、細かく質問してしまうと、子どもにとっては負担や再体験(思い出すつらさ)につながることがあります。
そのため、まず確認する内容は
「誰が」「何をしたのか」など、
必要最低限にとどめることが基本となります。
その後は、施設や個人だけで抱え込まず、専門機関へつなぐことの重要性も確認されました。子どもの安全を守ることを最優先に、適切な支援につなげていくことが大人の役割。
今回の学びを通して、「聞くこと」「受け止めること」「抱え込まないこと」の大切さを改めて共有する時間となりました。
今回の研修を通して、包括的性教育は特別な場面だけでなく、日々の関わりの中にあることを改めて実感しました。
今後も学びと対話を重ねながら、子どもたち一人ひとりを大切にした関わりを続けていきます。
次回の研修は第3回目、5月11日を予定しています。











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