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活動報告|学童クラブ事業部 |包括的性教育研修

学童クラブ職員研修を開催しました。

 

こばと会では、学童クラブ職員を対象に、包括的性教育をテーマとした研修を行いました。

講師には、昨年12月末にパレット保育園で実施した職員研修に続き、藤野早織さんをお迎えしました。

 

本研修は、保育園職員向け研修でも学んだ、 「子どもの権利」「同意」「境界線(バウンダリー)」という視点を土台としながら、学童クラブという生活の場に即して、子ども同士の関係性や日常の関わりをより具体的に考える内容でした。

学童クラブは、子どもたちが長い時間をともに過ごし、友だちとの関係性が深まっていく生活の場です。身体的な距離や言葉のやりとりの中で、戸惑いやトラブルが生まれることもありますが、そうした場面を一方的な「注意」や「指導」で終わらせるのでなく、子ども自身が自分の気持ちに気づき、相手と関係を調整していく力を育てていく視点が大切であると、職員一人ひとりが改めて自覚する機会となりました。

 


 

「性」という言葉から広がるイメージ

研修の冒頭では、「『性』という言葉を聞いて、どんな熟語やイメージを思い浮かべますか?」という問いかけからスタート。

 「個性」「感性」「女性」「男性」「性器」「性教育」「性質」「性格」など、さまざまな言葉が挙げられました。また、保健体育の授業で学んだ身体的機能に特化した性教育や、「触れてはいけない」「タブーなもの」として受け取ってきた性のイメージ、男女別で受けた学校での性教育の記憶なども共有されました。

「性」という言葉は、ともすると性被害や性行為など限られた意味で捉えられがちですが、
本来は、個性や感性、性質、性格といった、「その人らしさ」を形づくる大切な要素を含んでいます。

「性に対する価値観は、これまで関わってきた大人や環境によって、知らず知らずのうちに受け継がれていくものです」と講師の藤野さん。 だからこそ包括的性教育では、性を特別な話題や制限するものとして扱うのではなく、性とは「私そのもの」であり、自分を大切にすること、ありのままを生きていくことと深くつながっているという考え方が大切になります。

 


 

性はひとつではなく、いくつもの側面から成り立っている

研修では、性を「5つの側面」から捉える考え方も紹介されました。

・戸籍の性
・身体の性
・好きになる性(性的指向)
・こころの性(性自認)
・表現する性(性表現)  例:自分の呼び方(私・僕・俺など)、服装、持ち物、ふるまい
 

これらはどれか一つで一人の人間を断定できるものではなく、それぞれが重なり合い、グラデーションのように一人ひとり異なっていることが大切なポイントです。

「正解」や「普通」に当てはめるのではなく、 その子なりの感じ方や表現を尊重することが、 安心できる関係づくりの土台になることを再認識しました。

 


 

「境界線(バウンダリー)」と同意の考え方

研修では、「境界線(バウンダリー)」という考え方についても、具体的な例を交えながら学びました。

境界線とは、「ここまではいいけれど、ここから先はいや」という、自分の安心を守るための線のこと。この線は成長とともに変化し、相手や状況によって感じ方が変わることもあります。身体だけでなく、モノ・時間・空間にも境界線がある。

だからこそ、
・触れる前・線に近づく前、踏み込む前に声をかけること、相手の反応を見ること
・相手の返事を待つこと
・「いや」「やめて」とNoが言えること
・Noを受け止めること 

こうした日常の関わりの積み重ねが、 「あなたは大切にされている」という子どもの実感につながっていくことが、丁寧に伝えられました。

 


 

書籍・冊子を通して学びを深める

当日は、藤野さんおすすめの書籍が多数並べられ、研修の合間に手に取ることができました。どの年齢にどんな情報が必要なのか、子どもたちが何を知りたがっているか等、職員同士で意見を交えつつ知識を深めました。

また、藤野さんが制作・発行している冊子『どうなる?自分のからだ〜自分を大切にするおまもりBOOK』が配布されました。

やさしい言葉とイラストで、からだの変化や気持ちの揺れ、 「いいよ」「いやだ」を伝えることの大切さが描かれており、 子どもに伝えるためのヒントとしてだけでなく、大人自身が自分のからだや感覚を振り返るきっかけにもなる内容でした。

 


 

 

次回研修に向けて

今回は、学童クラブにおける包括的性教育についての導入編。次回は、今回の基本の学びを踏まえ、より具体的な場面や関わりを扱う研修を予定しています。

 

包括的性教育は、一度学んで終わるものではなく、日々の関わりの中で問い続け、更新していくものです。こばと会ではこれからも、子ども一人ひとりの尊厳を大切にしながら、安心して過ごせる環境づくりを、職員同士学び合いながら進めていきます。